事例集|東京都新橋で企業法務と訴訟事件対応の弁護士は大越法律事務所

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事例集

法律業務事例

ここでは当事務所が担当し解決した事例を紹介します。解決事例はこれ以外にも多数ありますので、今後定期的に補充していく予定です。ご期待下さい。

会社法務

会社(1) 不正競争防止法に基づく差止請求権等を被保全権利として、後発類似商品に対する販売差止等の仮処分が認容された例(平成13年前期京都地裁和解成立)

1 相談前

先行商品は身障者用の補助器具で、実用新案権や意匠権を取得しており、また販売後市場から高評価を得ていた。その後、後発類似商品が発売された。

2 相談後

仮処分事件の債権者及び債務者審尋において、債務者側が後発類似商品の販売を以降行わないことなどを内容とする和解が成立し、本案訴訟を経るまでもなく問題解決した。

3 弁護士(大越)からのコメント

本件では、債権者は債務者が販売する後発類似商品を購入して詳細な図面を作成したことは勿論のこと、審尋の場で両商品がどれだけ似通っているかを実演するなどして裁判官に丁寧に説明し、そのような熱心な姿勢が望ましい結論を導きました。

会社(2) 金融機関に対する営業妨害的行為を遮断した事例(平成11年東京地裁決定複数・但し弁護士(大越)がかつて別事務所に在籍していた当時の担当事件)

1 相談前

金融機関から借入をした顧客らが債務を返済できなくなり、担保物件に対する競売を妨害する目的で徒党を組み、当該金融機関に対する各種の営業妨害的行為を行った。

2 相談後

各営業妨害的行為に対し、個々的に妨害排除のための仮処分乃至民事執行法に基づく保全処分を申し立て、各申立について決定を得、当該決定に基づいて妨害排除のための強制執行を行って騒動を鎮圧した。

3 弁護士(大越)からのコメント

これらの営業妨害的行為は数件に及び、また関連する民事訴訟も数件に及びましたが、いずれも丹念に対処し、時間はかかりましたが所期の目的を達成することができました。

会社(3) 金融機関に対する担保権設定登記抹消登記請求を排斥した事例(平成10年後期横浜地裁判決、平成11年後期横浜地裁小田原支部判決・但し弁護士(大越)がかつて別事務所に在籍していた当時の担当事件)

1 相談前

金融機関の債務者兼所有者が、当該債務を担保するために自宅に設定した根抵当権設定登記は自身の子供が勝手に書類を偽造し、実印を冒用するなどして行ったものであるとして、その抹消登記請求を求めて提訴した。

2 相談後

請求棄却を勝ち取った。

3 弁護士(大越)からのコメント

本件は債務者兼所有者である原告と、その子供の主張が一致しており、これを翻す客観証拠が乏しかったため、相当の苦戦が予想されました。ところが周到な調査の結果、本件の背後にはいわゆる事件屋が存在すること、当職が担当した訴訟の提起前に、債務者兼所有者の親子間、或いは当該親子らと前記事件屋との間で幾つかの訴訟事件或いは家事事件が係属していたことが判明しました。そしてそれら他事件での当事者の主張を分析し、本件における主張の矛盾点などを突き、辛くも勝訴を得ることができました。

会社(4) 兄弟間で発生した横領等に伴う損害賠償事案(平成12年前期から平成15年前期に掛けて東京地裁判決複数)

1 相談前

亡父が残した会社において、長男が社長を継ぎ、長女が経理担当常務についていたが、多額の使途不明金が発覚した。

2 相談後

会社が原告となり、長女に対する損害賠償等を求めて提訴し、一部勝訴した。

3 弁護士(大越)からのコメント

長女は長年経理を担当しており、長男はそれを信頼して一切口を挟みませんでした。それが原因となって長女は確かに多額の資金を横領等していたようです。ただ、長女は経理の経験知識が豊富であり、自らに不利な証拠は残さず、逆に有利な証拠を作出し、却って会社に対し、立替金返還等を求めて別訴を提起するなど、事案は混迷を極めました。本件は会計士税理士らの協力を仰ぎつつ、帳簿類を丹念に読み解き、当方請求額の全額は認容されなかったものの、充分に満足のいく判決を得ることができました。

会社(5) もと代表取締役らを主債務者とする会社の連帯保証債務について、その成立を争い、勝訴的和解を勝ち得た事案(平成14年後期東京地裁和解)

1 相談前

依頼者は民事再生手続により経営再建中の会社である。社外第三者が依頼者に対して債権の主張を行ったが、その内容は、依頼者のもと代表取締役(民事再生申立前に行方不明となる)を主債務者とし、依頼者を連帯保証人とするものであり、そのような内容が記載された公正証書が残されていた。しかし、当該もと代表取締役以外の依頼者関係者は誰もそのような債務の存在を知らなかった。

2 相談後

依頼者が原告となり、当該の自称債権者を被告として債務不存在確認訴訟を提訴し、勝訴的和解を勝ち取った。

3 弁護士(大越)からのコメント

上記のとおり、公正証書という強力な証拠は残っており、しかも当事者たるもと代表取締役は行方不明となっており、依頼者側には事情を知る者が誰もいないという困難な状況から出発しました。しかし、このような事案であれば本来会社が債務負担をするについて取締役会で承認すべきところ、そのような手続はとられていなかったほか、怪しい徴候は幾つか認められ、それらの点を丹念に追求し、最終的に勝訴的和解を勝ち取ることができました。

会社(6) 債権者代位権を理由とする請負代金請求事件において、勝訴的和解を勝ち得た事案(平成16年前期東京地裁和解)

1 相談前

依頼者、甲社、乙社とも建築業を旨とする会社である。依頼者はあるとき乙社から、債権者代位権を理由とする請負代金請求訴訟を提起された。ところで、乙社は甲社から依頼を受けてその下請(後述のとおり、依頼者から見れば孫請)としてある物件を完成させたが、甲社が難癖をつけて請負代金を支払わないとして、甲社に対して請負代金請求訴訟(=前訴)を提起し、これに勝訴した。それにも拘わらず、勝訴直後に甲社は事実上倒産し、債権回収不能となった。そこで乙社は、上記工事の元請は依頼者、甲社は下請、乙社は孫請であったところ、甲社は依頼者から請負代金を支払われていなかったとして、債権者代位権を理由として依頼者に対し訴訟(=後訴)提起した。

2 相談後

後訴につき、当職は被告である依頼者の代理人となり、勝訴的和解を勝ち取った。

3 弁護士(大越)からのコメント

事案を補足しますと、問題となる工事について依頼者、甲社(下請)、乙社(孫請)という流れがあったことは事実です。ところが甲社は仕事が致命的に遅く、施主依頼者間の約定工期を守ることが極めて困難になったことから、依頼者は甲社と相談のうえ別業者に応援を頼み、何とか工事を完成させました。そして、依頼者と甲社との間の当初の約定請負代金額を仮に100万円とすると、別業者を依頼したため最終的に請負代金額を30万円にまで減額し(この点、勿論甲社は了解済みです)、依頼者は甲社にこれを弁済しました。この点について乙社は、このような代金減額は乙社の甲社に対する債権回収を困難にする目的で行った「共謀」であると指摘し、そのような「共謀」の有無が後訴の主たる争点となりました。

真実としては、以上の代金減額は正当に行われたもので、「共謀」などとは全くの言いがかりなのですが、上記のとおり乙社は事実上倒産し、乙社代表者も行方不明となったため、当方は「共謀」の疑いを完全に晴らすことに難儀しました。

ただ、例えば上記のとおり依頼者の甲社に対する当初の約定請負代金額を100万円とすると、この訴訟(後訴)で乙社は、甲社から100万円とほぼ同額で請け負ったなどと不自然な主張をしておりました(何故不自然かと言えば、それでは甲社には利益が出ないからです)。そこで疑問を感じた当職は、前訴の訴訟記録を閲覧謄写し、そこでの当事者(甲社と乙社)の訴訟活動に色々と不可解なことがあったことから、実は甲社と乙社こそ「共謀」しており、前訴は仕組まれた「やらせ訴訟」であるとして、乙社を徹底的に糾弾しました。その結果、前記のとおり後訴で当方は勝訴的和解を勝ち取ることができました。

会社(7) 依頼者が開発し販売を予定していたソフトウェアについて、他社から販売差止その他を要求された事案(平成17年前期)

1 相談前

依頼者は多角的経営を行っており、自社で開発したソフトウェアの販売を目論み、マスコミに向け大々的宣伝を行っていたところ、他社が、当該他社が既に販売等を行っているソフトウェアと表示面や機能面において顕著な類似性があり、需要者が誤認混同するとして、不正競争防止法に基づき宣伝広告及び販売の差止を請求してきた。

2 相談後

相手方(当該他社)に対し、当方のソフトウェアと相手方のソフトウェアとの相違点を具体的且つ詳細に説明するという作業を書面にて何度か行い、その結果、相手方は沈黙し、この紛争は裁判手続等を経ることなく事実上終結した。

3 弁護士(大越)からのコメント

依頼者はその当時、代表者のカリスマ性から、各方面に様々な話題を提供していた著名企業でした。他方、相手方は我が国を代表する総合家電メーカーであり、相手方が主張するソフトウェアとは、相手方が製造販売するパソコンにプリインストールされて流通していたAV統合ソフトでした。また、相手方代理人も知的財産権の分野では相当に名前の売れている法律事務所であり、これらの状況からすれば、当方(依頼者)はいつ提訴されてもおかしくない状況でした。むしろ、当方は提訴されることも充分に想定してその準備活動も行っておりました。従って、訴訟に至らないで事実上終結したという結末にはかなり驚きました。

本件の争点は非常に技術的な事柄であり詳細は省きますが、要は上記のとおり表示面や機能面で双方のソフトウェアが類似しているか否かということでした。この点、一見すれば類似性がないとは決していえないのが実情ですが、それでも様々な面で相違点がありました。これらの相違点を具体的且つ詳細に説明し、結論として類似性はないか非常に乏しく、従って需要者の誤認混同の虞もまずないとして緻密な反論を行い、結果としてそれが功を奏しました。

会社(8)  依頼者(会社=被告)に対する貸金返還請求訴訟において、当該請求が棄却された事案(平成17年前期東京地裁判決、同年後期東京高裁判決)

1 相談前

依頼者(会社)は、Aを通じて原告(控訴人。以下原告)に借金した。その際Aは依頼者の連帯保証人となった。その後、依頼者は債務を完済した。それにも拘わらず、原告は依頼者からの弁済を否定して、連帯保証人であるAとともに依頼者に対して貸金返還請求訴訟を提起した。

2 相談後

原審で請求棄却となり当方勝訴。原告は控訴したが、控訴棄却され、控訴審でも当方勝訴。そしてこの控訴審の勝訴判決は確定し、当方の全面勝訴で終結した。

3 弁護士(大越)からのコメント

事案を簡略化しますと、依頼者は原告から100万円を借り、Aはその連帯保証人となりました。また、Aは依頼者とは無関係に、個人的に原告から50万円を借りました。更に諸般の事情から、原告はAに弁済受領の代理権を与え、依頼者は原告に直接ではなく代理人であるAに対して弁済を行うことを、原告、A及び依頼者の3者で合意し、かかる合意に基づいて、依頼者はAを通じて原告に対し弁済を行い、債務を完済しました。しかしその後、本件訴訟が提起されました。

そして、依頼者がAに100万円を振り込んだこととAが原告に100万円を振り込んだことは容易に証明できるのですが、原告は、①Aに弁済受領代理権を与えた事実はない、②Aから100万円を受領したが、それはA個人の債務の弁済として受領したものであり、③当該債務は完済になり残金50万円はAに対する「過払金」債務となった、④従って依頼者からは全く弁済されていないなどと主張しました。

しかし、Aが原告に金銭交付を行うとすればそれは依頼者の債務かAの個人債務のいずれかの弁済でしかなく、「過払金」があるとすれば依頼者の債務に対するものとしか考えられないのに、この訴訟の請求ではその「過払金」部分が減額されていないという不自然があり、その他諸々の矛盾点が原告の主張には存在しました。そして尋問で当職はそのような矛盾点を丁寧に突いたところ、原告は目に見えて極度に狼狽し、その点が裁判官に対する大きなアピールポイントになりました。

なお本件の真相ですが、依頼者がAを通じて完済した時点でAは自己の個人債務を全く弁済しておらず、その直後に債務整理手続に入りました。そこで、このままでは債権回収不能になると危惧した原告は、弁済金は依頼者に対する債務についてではなくAの個人債務についてのものであると主張し、資力のある依頼者から二重弁済させ、Aに対する債権の回収をも狙うという悪質な動機に基づくものです。そして、そのような背景事情についても当職は丹念に裁判所に説明し、その結果勝訴に至りました。

債権回収

債権(1) 一定の条件下においては、ガス設備(の一部)の所有権は建物所有者ではなくガス供給業者に帰属するとされた例(平成15年前期東京高裁判決)

1 相談前

本件は売買代金請求事件である。ガス供給契約において、ガス設備(の一部)の所有権はガス供給業者に留保されること、ガス供給契約解約時には建物所有者は相当価額で当該ガス設備(の一部)を買い取る旨の約定があり、当該約定の法的効力がガス業者と旧顧客(建物所有者)らとの間で争われた事例。

2 相談後

1審では当該約定は無効としてガス業者が全面敗訴。2審では当該約定の内容を事前に説明された旧顧客については逆転勝訴。

3 弁護士(大越)からのコメント

当事案ではガス設備(一部)が建物に付合(民法242条)するか否かという法律解釈が最大争点となりました。2審では当方の望む結果を導けましたが、当裁判例はそれまでの類似裁判の傾向を転換するものとして、当時は業界内で話題になりました。

債権(2) 建物建築工事について、下請と孫請との間の請負契約が認定された例(平成14年後期東京高裁判決)

1 相談前

工事完了し引渡まで行ったが、工事代金が支払われないことを理由として孫請が下請に対して工事代金を請求して提訴した事案。

2 相談後

諸般の事情から原告(孫請)には契約書その他の証拠類が殆ど存在しない状況で、第1審敗訴。第2審では新規証拠を提出し、逆転勝訴。

3 弁護士(大越)からのコメント

契約書等が存在しないという状況はそれだけで極めて不利であり、第1審敗訴もやむを得ない状況でした。そして控訴をするに際し証拠を再検討したところ、工事中の現場事務所内を撮影した写真において、事務所の壁に工事スケジュール表が映っており、その表中に孫請名が明記されており、それが逆転勝訴を導きました。

債権(3) 傷害を受けて死亡した者の遺族側に立って、相手方らに対し損害賠償訴訟を提起した事例(平成13年後期以降東京地裁和解成立複数)

1 相談前

複数の相手方らから集団暴行を受け死亡した者の遺族から、相手方らに対する損害賠償訴訟を受任した。

2 相談後

和解成立。

3 弁護士(大越)からのコメント

法的にみて当方の損害賠償請求が成立することはある程度当然ですが、問題は妥当な請求額及び認容額がどの程度であるかということと、確実な債権回収をどうすべきかということでした。というのは、本件傷害事件の当事者はいずれも少年であり、資力に極めて問題があったからです。ただ、殆どの少年は自らの行いを反省し、長期分割で賠償を行うことで和解が成立しました。

債権(4) 証券会社もと従業員らの違法行為に基づく損害について、賠償が認められた事案(平成15年後期和解成立)

1 相談前

相談者は個人資産家で、相手方は某大手証券会社とそのもと従業員。相談者はもと従業員の薦めにより金融商品を購入した。真実は、購入後すぐに元本割れして損失が発生していたにも拘わらず、もと従業員は、相談者が当該証券会社の優良顧客であり損失発生の事実が知られれば自身の社内評価が低下することを恐れ、内容虚偽の書面を作成して損失発生を殊更隠蔽していた。しかしやがて隠蔽しきれなくなり、金融商品は大幅に元本割れしていたことが露見した。

2 相談後

和解成立。

3 弁護士(大越)からのコメント

本件では、もと従業員個人と証券会社とを共同被告として損害賠償訴訟を提起しました。前者については不法行為及び債務不履行、後者については使用者責任となります。また損害は、元本割れにつき真実の報告がなされていれば相談者は適時に解約した筈だが、虚偽報告により適時の解約が不能となり損害額が拡大したとして、その拡大損害額について賠償請求を行いました。証券会社はもと従業員が会社の業務と無関係に個人的に行った行為であること、真実の報告がなされれば適時解約したとはいえず、行為と損害との間の因果関係が不存在であるなどとして争いました。 もと従業員の行為は私文書偽造、同行使などの刑事責任が問題となる余地もあり、その点行為の異常性も大きく、使用者責任の成立にはマイナスに作用するという弱点もありました。しかし、根気強く綿密な訴訟活動を展開し、勝訴的和解を勝ち取りました。

債権(5) 職人が請負代金を求めて提訴し、相手方はこれを争うとともに貸金返還等を理由として反訴提起し、本訴は棄却され反訴が認容された事案(平成17年前期東京地裁判決)

1 相談前

相談者は老女であるが、知人の職人に小規模な自宅のリフォームを依頼した。工事も完成し引渡もなされたので相談者は現金にて代金を支払ったが、職人は理由をつけて領収書を交付しなかった。その後、職人は請負代金の支払いがないとしてその支払を求めて相談者に対し本訴提起した。

2 相談後

本訴棄却。貸金返還等を求めた反訴についてはほぼ全額を認容する判決がなされ、確定した。

3 弁護士(大越)からのコメント

反訴の貸金返還等の請求ですが、職人は相談者に対し、度々寸借をしつつ、相談者が職人を信用しており借用証書などを一切作成していなかったことから、借金の事実そのものを否認していました。このとおり、本件では証拠資料が始めから不足しており、その点では本訴は有利で反訴は不利な戦いでした。ですが、尋問において職人の主張を徹底的に弾劾することができ、また相談者が日頃利用していた金融機関に対して裁判所から調査を行って貰い、その結果、相談者に対して有利な資料を提出して貰えました。これらの事柄が功を奏し、当方にとってはほぼ満点といえる結果を導くことができました。

相続関係

相続(1) 中小企業における企業承継を円滑にした事案(平成14年後期東京家裁審判)

1 相談前

依頼者(被相続人)は中小企業の社長であり、当該会社の役員は依頼者、その妻及び依頼者の甥で典型的な親族経営である。依頼者は甥に当該会社を継がせることを強く希望。なお、依頼者には4人の娘がおり、いずれも結婚している。

2 相談後

依頼者の推定相続人全員が遺留分放棄を行い、それとともに依頼者は当該会社の株式を含む全ての資産を甥に包括遺贈する旨の遺言を作成した。

3 弁護士(大越)からのコメント

被相続人の生前の相続放棄はできませんが、遺留分放棄は可能です(民法1043条)。本件では甥に会社を継がせることには被相続人間で強い異論はなく、相談事項の解決に極端な障碍はありませんでした。すると逆に、単に甥に資産を包括遺贈する旨の遺言を作成するだけでも良いのではないかとの考え方もあり得ますが、矢張り自らの死後、遺留分減殺請求などで紛争が発生することを依頼者が恐れましたので、上記のような解決策に至りました。

相続(2) 相続財産管理人制度を利用した事案(平成15年後期千葉家裁審判、平成18年後期千葉家裁審判)

1 相談前

依頼者は幼いときから親類の女性に可愛がられていた。その女性は結婚をせず身よりもなかったことから、晩年は依頼者がその女性の療養看護に誠意をもって務めてきたが、その女性は相続人がないままに亡くなった。

2 相談後

依頼者が申立人となって当該親類の女性につき相続財産管理人選任を申し立て、管理人が選任された(民法952条)。次に、依頼者について特別縁故者に対する財産分与申立を行い(民法958条の3)、結果として相応の相続財産が依頼者に分与された。

3 弁護士(大越)からのコメント

本件のような事案では、以上の手続を踏むことは教科書どおりと思われます。問題なのは、当該親類の女性は少なからぬ資産を保有しており、依頼者とともに行った資産調査が過去の事実関係の調査にも及ぶものであり、かなり難儀しました。

相続(3) 裁判外での交渉を根気よく続け、遺産分割に関する合意を成立させた例(平成18年後期遺産分割協議成立)

1 相談前

依頼者(姉)には妹がおり、この2名が相続人である。依頼者の母は生前遺言を遺しており、その内容は姉妹を平等に扱うものであった。ところが母の死亡後、当該遺言作成の数年後に作成されたという第2の遺言が妹から提出され、その内容は妹に極端に有利なものであった。

2 相談後

当方は第2の遺言の効力を争う姿勢をも示しつつ、予備的に遺留分減殺請求を行った。そのうえで相手方と根気よく裁判外での交渉を行い、その結果、ある程度納得できる内容の遺産分割合意に至った。

3 弁護士(大越)からのコメント

裁判手続を利用しなかったのは、それを行うと相手方が感情的になり、紛争が長期化する虞があったからです。また、姉妹は極めて感情的に対立しており、相手方からの言い分をダイレクトに伝えると火に油を注ぐ結果になることは明らかであるため、依頼者を説得しつつ望ましい解決を模索することに腐心しました。

その他

他(1) 妻の不倫による離婚及びその周辺整理を行った例(平成14年前期東京地裁判決、同年後期東京地裁和解成立)

1 相談前

妻の不倫に悩む夫からの相談事例

2 相談後

不倫相手と任意交渉するも誠意が見られないため、自宅に対し仮差押を掛け、損害賠償訴訟提起。その訴訟中で妻が証人出廷し、不倫相手を擁護する証言を行ったため、妻の預金に対して仮差押を掛け、損害賠償訴訟提起。

3 弁護士(大越)からのコメント

妻に対する後発訴訟提起の直前に、夫と妻は協議離婚しました。夫としては、不倫相手から誠意ある謝罪があればそれで矛を収めるつもりだったのですが、不倫相手からも妻からも謝罪がなく、結果として法的手続を重ねることとなりました。なお、妻が外国人であったことも本件が複雑化した原因だったのかもしれません。

他(2) 離婚に際し、妻が夫に請求した慰謝料請求の大部分を遮断した事例(平成14年後期千葉家裁和解成立)

1 相談前

本件の本体は別居後の妻が提起した離婚訴訟です。妻が主張する離婚原因は主として夫の不貞であり、それに伴って比較的多額の慰謝料請求もなされました。

2 相談後

夫婦間で協議離婚すること、当初請求額より相当減額した解決金を支払うことなどを内容とする和解が成立し、決着しました。

3 弁護士(大越)からのコメント

夫の不貞は否定しようがないほどの証拠が提出されたため、当方は、不貞は婚姻関係破綻後のものであったと反論し、婚姻関係破綻が大きな争点となりました。ただ、妻の行動に疑問を感じて調査したところ、妻も従前から不貞を行っていたことが判明し、それを反撃材料としました。

他(3) マンション新築に伴う近隣住民とのトラブルを解決した事例(平成12年後期協定成立、平成13年前期協定成立、平成14年後期協定成立・その他)

1 相談前

大規模マンション新築計画が持ち上がり、既存の近隣住民が建築反対運動に乗り出すなどのトラブルが顕在化した。

2 相談後

第三者的立場において、工事の方法に関する取り決めや、適正妥当なレベルでの和解金を近隣住民に支払うことなどを条件とした建築協定書を作成調印し、解決した。

3 弁護士(大越)からのコメント

このようなトラブル処理事案は幾つか手がけております。近隣住民の側に立って建築工事差止仮処分などを申し立てるのも一つの方法ですが、建築工事を未来永劫に亘って阻止することは法的には容易ではなく、結局のところ金銭解決などの和解で終結する訴訟事件も少なくないと思われます。そうであれば、裁判手続を利用する前に近隣住民と建築業者が胸襟を開いて徹底的に話し合い、相互理解のうえで合意を締結できるとすれば、それは費用対効果の面でも優れた解決方法と思われます。

他(4)  離婚被告事件で、原告からの解決金支払等を条件として協議離婚する旨の和解を成立させた事例(平成17年後期東京家裁和解成立)

1 相談前

本件は、別居中の夫(原告)から妻(被告・依頼者)に提起した離婚訴訟。夫婦は3年ほどの同棲のあとに婚姻したが、婚姻直前から妻は重度の鬱病となり、婚姻後にはリストカットを繰り返し、また突如として取り乱すなどするようになり、入退院を繰り返した。また夫も仕事に悩み、妻の看護に疲れたなどの理由から鬱病となり、入退院を繰り返すようになった。結局婚姻後の夫婦の同居期間は3年程度で、その後夫婦はそれぞれの実家に引き取られ、その後離婚調停から訴訟に至った。

夫が主張する離婚原因は精神病(民法770条1項4号)と一般条項(同項5号)であり、当方は鬱病は「強度の精神病」ではなく、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」も具体的内容が不明であるなどと徹底抗戦した。

2 相談後

夫婦間で協議離婚すること、夫は妻に相応の解決金を支払うこと、また、離婚するに至った原因は双方が若く力不足であったことにあることの確認条項を特に入れることとして和解が成立し、決着した。

3 弁護士(大越)からのコメント

本件は実に切なくやりきれない事案でした。夫婦とも資産家の実家に生まれ、夫は鬱病に罹った妻を看護する目的で同棲から婚姻に至りました。ただ、そのような思いやりの気持ちと裏腹に夫も鬱病に罹り、婚姻関係維持が困難となりました。ですからどちらに非があるということではありません。本件で双方の親は離婚やむなしとの考えでしたが、少なくとも妻は依然として夫に愛情があり、ただ、半ば強制的に別居をするに至ったことには被害者意識をもち、訴訟当初は離婚に抵抗しておりました。

当職は、依頼者の気持に忠実になれば離婚に抵抗すべきですが、さりとて現実的に客観視すれば、それぞれ入退院を繰り返す夫婦が一般通常の夫婦生活を維持できるとも思われず、弁護士として如何に対処すべきか非常に迷いました。ただ、最終的には両親の協力を得て説得し、和解が成立しました。和解条項の中で解決金給付は、依頼者から見れば、夫から遺棄されたと考えていることへの慰謝料の趣旨です。しかし夫の立場では自分だけ悪者にされることは納得がいかず、そこで折衷策として若さ故に別れることとなった旨の確認条項を入れることで落としどころとしました。

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